第二場
マトゥラー王国の人々、それぞれの心に映るクリシュナ
1)演者が椅子から立ち上がると、まず、カムサの手下である武闘家達を演じます。
彼らは、少年でありながら、強靭な身体を持ったクリシュナを見て、闘争心を露わにします。(怒り/Raudra)
2)普通の人たちは、今まで見たこともない程立派なクリシュナの姿に驚きます。(驚嘆/Atbhuta)
3)女性達はクリシュナの魅力に心を奪われ、ひとめで恋に落ちてしまいます。(恋心/Sringara)
4)クリシュナと一緒にマトゥラー国にやってきた牛飼い仲間の少年達は、人々がまばたきもせずに、目を見開いてクリシュナを凝視しているので、笑ってしまいます。(笑い/Hasya)
5)カムサの仲間の王達は、自信に満ちたクリシュナを見て、いざ戦いに行こう、としますが、とるに足りない牛飼いである少年を相手に戦うのは、王として相応しい行動ではない、と思い直して余裕をみせます。(英雄的/Vira)
6)クリシュナの産みの母であるデーヴァキは、産み落としてすぐに離ればなれになってしまった我が子を初めて見て、喜びが溢れます。ところが、まだ少年のこの子が屈強な武闘家達と戦うことを知って悲しみ、神に祈らずにはいられません。 (悲しみ/Karuna)
7)悪王カムサは、塔の上の一室で椅子に座って外の様子を窺っています。そこに使者がやってきます。クリシュナが都を守っている象を倒したことを知らされると、これは死神がやってきたに違いないと感じ、恐れ、おののきます。(恐怖/Bhayanaka)
8)クリシュナの本当の力に気づかない人々は、「非力で柔い肉体のこの小さな子供たちと、強靭で最強の武闘家たちとの試合を見るなんて、気分悪い!こんなことを考えたのはどんな奴だ?くだらない」と、急いでその場から去ってしまいます。(嫌悪感/Bibatsa)
9)修行者たちは、神が現実の姿をとって目の前に現れたことを悟り、人生に稔りをもたらすために静かに瞑想します。(平安/Santha)
10)もともとこの国に住んでいる人々は、クリシュナが自分達ヤーダヴァ族の神そのものであると気がつき、信仰心を捧げ、礼拝します。(献身/Bhakthi)